なぜ納税者は政府の連帯保証人なのか

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 同社はみずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行の主力3行から1070億円の融資枠を確保した。同融資枠には筆頭株主である産業革新機構の連帯保証が付く。

 あなたが勝手に誰かの連帯保証人にされたら、とんでもない話だろう。いや、このビジネスは儲かるから、もうあなたを株主にしたから。出資額はあなたの口座から引き落としておいたよ、などといわれたら、いっそうとんでもない。

 政府がやっているのも同じことなのだけど、連中は途方もない金額を動かし、あまりに壮大な法螺話をぶち上げるので、真相の全体が見えにくくなってしまう。

 日本のものづくりのためにリスクを取るのが政府の責任だとか抜かしながら連中やその外郭団体はどこぞの連帯保証人になる。でも政府のお金は結局のところ納税者から出るしかなく、責任を負うのは政府ではなく常に納税者だ。

 政府が融資目的で国債を発行するのも同じ話で、政府を通して資金調達することで企業に低金利の資金を供給できるのですよ、などと連中は言う。でも国債の金利が低いのはなぜかといえば、それが最終的には徴税によって償還可能だからだ。

 政府が誰かの連帯保証人になれたり、低利で融資できたりするのは、その全てを納税者が保証しているからだ。政府が民間よりも大きなリスクをとれるのは、僕ら納税者に転嫁されるリスクから連中が目を背けているからにすぎない。