1円スーパーを擁護する3つの物語

野菜を1円で販売 愛知のスーパー2社警告へ 公取委 :日本経済新聞

商品を継続して原価割れで販売しており、公取委は、他社の事業活動を困難にする恐れがあるとして規制される「不当廉売」に当たる疑いがあると判断したとみられる。(上記リンクの記事より)

その1

あるスーパーはサプライチェーンを見直すことで、より新鮮な野菜を従来と同じ値段で提供することに成功した。このスーパーの繁盛は他のスーパーの「事業活動を困難に」したが、それはこのスーパーが消費者に価値を提供したからだ。

  別のスーパーは販売価格を下げることで、従来と同じ品質の野菜をより安価に提供することに成功した。このスーパーの繁盛は他のスーパーの「事業活動を困難に」したが、それはこのスーパーが消費者に価値を提供したからだ。

その2

あるスーパーは毎週100万円の費用をかけて派手な新聞チラシをバラ撒いた。この広告宣伝効果は他のスーパーの「事業活動を困難に」したが、だからといってこのスーパーが非難されるいわれはない。

 別のスーパーは毎週100万円分の派手な値下げで大勢の客を呼び込んだ。値下げした商品自体は採算割れでも広告宣伝効果があったからだ。この値下げは他のスーパーの「事業活動を困難に」したが、新聞チラシ同様非難されるいわれはない。

その3

ある資産家が貧しい人々の不健康な食生活に心を痛め、人々に無料で野菜を配布する活動を始めた。人々は彼の慈善活動を賞賛したが、さすがに無料では申し訳ないとある者が資産家に申し出た。

 そこで資産家は1円だけ代金を頂くことにした。無料で賞賛されることなら、1円でもそれはやはり賞賛されることだ。しばらくして彼の家に役人が現れた。役人は資産家を、他社の「事業活動を困難に」した由でしょっぴいてしまった。