安価な外国製品の輸入はなぜ日本の生産性向上と同じことなのか

牛丼チェーンに打撃=米国産の関税引き上げ (時事通信) - Yahoo!ニュース

牛肉セーフガード発動に米政府が強い懸念表明 | NHKニュース

www3.nhk.or.jp

緊急輸入制限(セーフガード)とはある商品の輸入量が増加した場合に、その商品の関税を一時的に引き上げる政策だ。この政策を支持する人々は、安い外国製品が日本経済を破壊することを防ぐのだ、という。

 ちょっと僕の寓話に付き合ってもらいたい。主人公は日本国内の酪農家だ。彼は品種改良によって、今までの半分の時間と手間、半分の餌で育つ牛を発明した! 彼が実現した夢の発明によって、牛の生産性は2倍になったことになる。

 この発明のおかげで、日本の人々は牛肉を今までの半分の価格で買えるようになった。人々はお腹いっぱい牛肉が食べられるようになったし、あるいは余ったお金を他のことに使うこともできるようになった。牛を品種改良した酪農家を、人々は国民的英雄として讃えた。

 ところがあるとき、真実が明らかになってしまう。酪農家は品種改良などしていなかった。彼は単に外国から、牛肉を日本国内の半分の価格で輸入していただけだった! それを品種改良だと偽って、国内の市場に流していたのだ。

 さて、考えて欲しい。彼はこのことによって、国民的英雄から、外国製品を国内に引き入れた売国者になってしまうだろうか? でも、彼の「品種改良」によって、日本の人々が豊かな生活を享受していたのは事実じゃないだろうか? 彼に「品種改良」をやめさせることが、どうして日本の人々を豊かにできるだろうか? 嘘をついていたことの他に、いったい彼に何の落ち度があるだろうか?