例えば土地の賃借料が50万円、その土地を駐車場にした場合の収益が30万円なら、その土地は駐車場にされるべきではない。30万円の価値を得るために50万円の価値ある資源を費やすことになるからだ。*1
一般に、投下される費用が収益を上回るような投資は実行されるべきでない。それは、より小さい価値を得るために、より大きな価値のある資源を費やすことを意味するからだ。
人的資本への投資も理屈は変わらない。学び直しであれ何であれ、投資としての教育は、教育に投じた費用を上回る収益が回収できる場合にだけ意味がある。*2そうでなければ、その投資は犠牲にした資源以上の価値を生んでいないからだ。
例えば駐車場経営に毎月30万円の補助金が下りるなら、冒頭の土地は駐車場になるかもしれない。この補助金は実行されるべきでない投資を実行させる点で、僕らの経済をより貧しくさせるものだ。*3
学び直しであれ何であれ、教育に補助金が下りるなら、そうでなければ採算割れだったはずの教育投資が実行されるだろう。この補助金は実行されるべきでない投資を実行させる点で、僕らの経済をより貧しくさせるものだ。