なぜ業績不振でも民営化は僕らの経済を豊かにするのか

biz-journal.jp

まったく当たり前だけど、民間企業には業績良好の企業もあるし、業績不振の企業もある。これもまったく当たり前だけど、業績不振はその企業のビジネスの失敗を意味していても、市場メカニズムの失敗を意味していない。 

 あるビジネスが市場の平均的な水準に比べて十分な利益を上げていないとする。賢明な経営者は業績不振のこのビジネスを縮小するだろう。ビジネスの無軌道な拡大は、銀行や株主が許さないだろう。*1

 これは僕らの経済にとって良いことだ。利益とは、財やサービスに対する消費者の評価としての販売価格と、それを生産するために投入された資源価格との差を意味する。業績不振のビジネスの縮小は、そこに振り向られていた価値ある資源を解放し、より高い価値を生み出す他の事業や企業のために移動させる。

 市場はこのように価格をシグナルとして、限られた資源をより高い価値を生み出すように生産に振り向ける。個別の企業が赤字になったり倒産したりするのはその調整過程だ。その経営者は無能さを責められるべきかもしれないけど、不振事業の整理や倒産は僕らの経済がより豊かになるために必要なことだ。

 郵政が民営化されなければ、業績の不振など素知らぬ顔で事業が継続されていただろう。それは悪いことだ。なぜならそれは限られた資源をより低い価値しか生まない財やサービスの生産に振り向け続けることを、だから僕らの経済をより貧しくすることを意味するからだ。

*1:もちろん、今後そのビジネスが化けると予想して、あえて資金を提供するのは自由だ。投資家が自分の財布から資金を出す限りは。